主婦のオーストリア生活記~in Graz~

夫の仕事でオーストリアのグラーツに行くことになったアラサー主婦。 オーストリアに行くまでと行ってからの奮闘記。

腹腔鏡手術をオーストリアで受けた話

今までオーストリアでの妊娠・出産について書いてきましたが、私たち夫婦は妊娠するまでにもいろいろな経験をしました。具体的には、私はオーストリアで人生初の入院&手術を経験、その後不妊治療を経て息子を妊娠、無事に出産することができました。このブログは知り合いや友人も見てくれているようなのでどの程度書くべきか少し迷いましたが、私自身情報収集に苦労したので私たちの経験の記録として残しておきたいと思います。

まずは私が生まれて初めて経験することになった入院と手術についてです。私が受けたのは腹腔鏡手術で、1泊2日の入院でした。

手術を受けることになった経緯

私が実際に腹腔鏡手術を受けたのは2019年5月のことです。当初は2018年の夏までの予定でオーストリアに滞在していた私たちですが、夫がグラーツの大学で雇用されることになり滞在予定が2年延びたこともあり、本格的に子供について考え始めました。日本にいたときから子宮内膜症があることが検診でわかっており、2018年の秋頃に生理痛がひどくなったことからこちらで婦人科を受診。子宮内膜症以外にはこれといった原因がなかったので、しばらく妊娠しないようであれば不妊治療を考えていました。

そこで、友達に教えてもらい公立病院の不妊治療科(KinderwunschZentrum)に直接メールを送って受診したい旨を伝えました。普通はしばらく婦人科に通ってから不妊治療科への紹介状を持って受診すると思うのですが、長期休暇に入る前に早めに受診したほうがいいとアドバイスをもらい直接連絡をしたのがきっかけです。その後は想定以上に早く連絡があり、まずはカウンセリングのようなものと内診・血液検査がありました。

そのときに指摘されたのはやはり子宮内膜症でした。また、後日通水検査をしたところ卵管に水が溜まっている可能性があるとも言われ、腹腔鏡手術を勧められました。

ここでしばらく公的保険加入に手間取ったので、落ち着いてからあらためて受診をすることになりました。

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改めて病院を受診したのが2019年2月で、そのときの内診の結果も腹腔鏡手術を勧めるとのことでした。子宮内膜症のこともありますが、今後妊娠を希望する場合卵管の詰まりも問題とのことでした。卵管に水が溜まっている(卵管水腫)状態だと不妊治療をしても着床を妨げてしまうため、その場合は卵管を摘出する必要があるとのことでした。

正直、卵管を摘出する必要があると聞いたときは心配でしょうがなく、日帰り手術も可能とのことでしたが異国での手術には不安しかありませんでした。手術の日程は2019年5月とのことだったので、それまでの期間にいろいろと調べることにしました。

オーストリアで腹腔鏡手術を受けることにした理由

日本でもできる腹腔鏡手術をオーストリアで受けることにしたのには、以下の理由からです。

  1. 執刀医の先生が信頼できる人だった
  2. 手術費用が無料だった

執刀医の先生は(おそらく)権威のある先生のようで、術前の受診時もとても丁寧に説明をしてくれていました。何事もはきはきと話す女医さんで、先生が言うなら必要な手術なんだ、きっと大丈夫だと思わせてくれるような人でした。また、個別のメールでの質問にも丁寧に回答してくれていたのでとてもありがたかったです。

日本で受けると自己負担となる腹腔鏡手術ですが、こちらの公立病院では無料で受けられるとのことでした。入院時のベッド代のみ自己負担のため、日本に帰って病院をまた一から受診して…と考えるとこちらでの手術が良いと感じました。日本で入っている医療保険も保険金がおりることがわかったので、オーストリアで腹腔鏡手術を受けることにしました。

麻酔科医との面談

腹腔鏡手術は全身麻酔での手術となるため、事前に麻酔科医との面談がありました。既往歴や家族の疾患などの問診がありました。面談の前に資料をもらっていたので、それに沿って確認しました。

手術前の注意事項

手術前には制約があり、手術前日の夜中からは食事禁止、手術当日の朝6時までなら水やお茶(砂糖やミルクの入っていないもの)は飲んでもよいとのことでした。 

入院日数と精算

当初は日帰り入院の予定でしたが、実際には一泊二日の入院となりました。子宮内膜症による癒着が多かったようで、念のため一泊して様子を見てからの退院となりました。

腹腔鏡手術に関しては無料でした。ベッド代は一泊二日で20€ほどでした。

手術を受けての感想

初めての入院・手術は正直不安のほうが多かったです。でも、先生や看護師さんも優しく接してくださり、術後の経過も問題なく退院後もスムーズに日常生活を送ることができました。手術室に入る時はとても緊張したし、ドイツ語で質問されたときは焦りましたがなんとか乗り切ることができました。私は手術室に入ったあと、ドラマのように1、2、3…という声を聞いたのを最後に眠りにつき、気づいたら術後のリカバリー室にいました(笑)日本の家族はとても心配をしていましたが、無事に終わったのでなによりでした。幸い、懸念されていた卵管は通っていたとのことで、摘出する必要はなく子宮内膜症に関する治療だけで済んだのもよかったです。