主婦のオーストリア生活記~in Graz~

夫の仕事でオーストリアのグラーツに行くことになったアラサー主婦。 オーストリアに行くまでと行ってからの奮闘記。

オーストリアでの出産準備①~産院と助産師選び、保険について~

初めての、しかも海外での妊娠ということもあり妊娠・出産に関する知識がゼロの私。妊娠初期のころから少しずつ出産に向けた情報収集が必要でした。今回は出産準備の中でも早めに考えておくべき助産師と産院選び、それに伴う保険の加入についてです。

私は安定期に入る少し前頃から、親しいグラーツの友達に妊娠を報告したり、今後の流れについて相談していました。そこで、出産場所である産院選びが必要であることを知りました。

オーストリア国内でも地域によって流れは異なる可能性がありますが、私がグラーツで出産するにあたっては以下の内容を検討する必要がありました。

産院選び

病院・医院の建物イラスト(医療)

グラーツで出産するとなると①公立(大学)病院②私立病院③助産院などがあるようです。公立病院で出産すると、出産費用は公的保険でカバーされるため出産費用はかかりません。しかし、私立病院などで出産するとなると出産費用は自費、もしくはカバーしてくれるプライベート保険に加入する必要があります。

個人的に産院選びは結構悩みました。出産費用が公的保険でカバーされるのはありがたいので、当初出産は公立病院を考えていました。母体や胎児に何かあれば搬送されるのはその病院なので、設備面も充実していると思ったからです。しかし、公立病院であることから院内は少し古かったり、基本的に4人などの相部屋になる点が残念ではありました。入院中に同室の人にたくさんの親戚が訪問してくる場合もあるようで、これを賑やかでいいと感じられるかどうかもポイントのようでした(笑)

このとき、私が感じたそれぞれの病院で出産するメリットとデメリットは以下です。

公立病院で出産するメリット・デメリット

+費用がほとんどかからない(おそらくベッド代のみ)

+母体、胎児になにかあったときも安心

-院内が古め、食事が質素

助産師、産婦人科医が選べない

-基本的に相部屋

私立病院で出産するメリット・デメリット

+院内がきれい、食事も期待できる

助産師、産婦人科医が選べる

+個室、夫の宿泊が可能

-費用が高い(保険なしだと5000ユーロ前後)

-36週以降の出産のみ可能(それまでは公立病院でしか出産できない)

助産師選び

オーストリアには助産師(Hebamme)を選ぶシステムもあるのですが、公立病院では助産師を選ぶことができず、出産時に病院にいる方が対応してくれるとのことでした。ちなみに私立病院での出産だと助産師、産婦人科医ともに自分で選ぶことになります。この助産師選びでは、友達の娘さんが日本語の話せる助産がいると教えてくださり、早速会ってみることにしました。

日本語の話せる助産師はオーストリア人で、ドイツ語や英語はもちろん日本語を話されます。やはり完璧な日本語というのは難しいですが、私たちのために事前に日本語で資料を準備してくれたりしました。また、お互い上手く通じないときは英語でやりとりをすることができました。まだ産院や助産師を決める前の段階でしたが、プライベート保険に関して保険会社に問い合わせをしてくれたり、とても親身になってくれたのが印象的でした。

このときは出産時に日本から母が来る予定だったこともあり、産後日本語でやりとりができると母も安心するだろうなと感じました。夫もこの助産師を気に入ったこともあり、私立病院での出産を決めました!

助産師選びは、人によってかなり時間がかかるようです。というのも相性が大切なので、妊婦さんによっては何人もの助産師と面談をして決めるためです。

プライベート保険の加入 

私立病院での出産を決めたあとは、プライベート保険への加入を検討し始めました。助産師にも手伝ってもらい、MerkurとUNIQAの保険が候補にあがりました。保障内容はほぼ同じで、妊娠がわかってからの加入のため夫も一緒に加入する必要があること、産後は赤ちゃんも保険への加入が必要でした。今回の保険加入の目的は私立病院での出産費用と助産師費用だったので、それ以外の病院受診でも保障の対象になるのはよかったです。

見積もりの結果、金額の安かったUNIQAの保険に加入しました。といっても二人分の保険なのでそこそこの金額にはなりました。今回の妊娠に関する受診は保障の対象外だったので注意が必要です。

まとめ

公立病院で産むとほとんど費用がかからないところ、私立病院で産む必要があるのか悩みましたが、個人的には私立病院で出産してよかったと思います。特に今年はコロナウイルスのこともあり、コロナ感染者が公立病院で治療を受けることから安全面でも私立病院でよかったです。

実際、個室で夫も一緒に宿泊できたので最初から二人で育児ができたのは心強かったです。お見舞い等制限されていたので病院に出入りする人も少なく感じましたし、毎日看護師や産婦人科医、助産師しか部屋に来ないので身なりを気にかけることなくのんびり過ごせました。ご飯もメニューから選ぶことができ、味が濃いと感じることもありましたが総じて美味しかったです(^^)部屋も夫が宿泊しても十分な広さで、バルコニーもついていました。夏の出産で毎日暑かったのは誤算でしたが、様々なサポートが受けられる良い環境でした。